01 最初に
脇浜ゼミでは、「マルチプラットフォームストーリテリング」をテーマに日々活動しています。
そんな私達が新たに挑戦するのがラジオ放送『京産現社カフェ』です!
元々は有志で集まった現代社会学部の学生が制作した番組をRADIO MIX KYOTO北大路メインスタジオよりお送りしていました。
その番組制作を『脇浜ゼミ』が引き継ぎ担当することになりました。今回は第2回放送を記事にしたものです。
十分に感染症対策を行い、臨むラジオ本番!果たしてどのような放送になったのでしょうか・・・?
02 オープニング
今回パーソナリティーを務めるのは現代社会学部4年次のお二人。
安本愛菜さん(左)と伊達晏路くん(右)が本番前の声出しをしている様子です。
放送は19時からなのですが、50分も前から声出しをして準備している姿はパーソナリティとして流石だなと感じました。
まず初めに脇浜ゼミと番組、今回のテーマ『コロナと向き合い続ける』を紹介して本日の1曲目
前回の放送のオープニング中に流れていたアイロンヘッド辻井亮平さんの『京都産業大学の歌』をお送りしました。
03 京都産業大学 PCR検査センターの取り組み
一つ目のコーナーは『京都産業大学 PCR検査センターの取り組み』
2020年10月20日より運用が開始された京都産業大学のPCR検査センター。
こちらは、PCR検査センターがこの半年間でどのような取り組みを行ってきたのかを知り、コロナにどう向き合っていかなければならないのかを考えてもらいたいというコーナーです。
取材に応じてくれたのは、京都産業大学の保健管理センターに所属している林大介(はやしだいすけ)さん。
林さんはPCR検査センターの立ち上げから参加されているということでまずはこんな質問から。
Q.PCR検査センター設立の経緯は?
京都産業大学でクラスターが発生したため作ったと言われるが、そうではないとのこと。
学生が安心して学べる環境を作りたい、大学としては教育環境を整えたい。そのために何が出来るのか考えた結果、『感染予防・防止策の一つ』としてPCR検査センターが設置されるに至ったのだとか。
その際、ちょうど地元・京都の島津製作所という企業が新型コロナウイルスの簡便な検出キットを開発したという情報があり、京都府や京都市の担当者と連携して開設に繋がったそうです。
Q.PCR検査センターを設立するにあたって気を付けた点や苦労した点は?
驚くべきことに医学部や薬学部がない大学で施設を作るのは珍しい取り組みであり、何もかもが初めてのことだったと林さんは語りました。
学長が立ち上げを決めてから、設備はどうするのか?どう運用するのか?安全面はどうするのか?
技術面をどう磨くか?誰に担当してもらうのか?法令的なものへの配慮は?陽性がでたらどうする?
など、さまざまなことを一から準備する必要があったためそこが本当に大変だったが、島津製作所の全面的なバックアップのおかげで実際に稼働することができたそうです。
ここで一つ疑問が。
Q.他の大学でPCR検査をするのは医学部であることが普通なのだろうか?
これに対して林さんは、「医学部や薬学部があるため先生が研究施設の中でPCR検査を行ったり、学外で看護実習に行くために実習生に受けさせたりと限定的な場面で使われると聞く」と答えてくれました。
そのため、京都産業大学のような学生や教職員が誰でも、いつでも受けられるというケースは少ないらしく、例のないことではあると思うとも語ってくれました。
続いて、これまでの活動についての質問。
Q.PCR検査センターが設立されて半年、どのようなことを行ってきたのか?
PCR検査センターは準備が大変だったこともあり、実際に人が来て検査をするまでには時間がかかってしまい、設立から遅れてスタートすることになったのだとか。
その後は1日に20件程度、週に2日といったように限定的にスタートさせたそうです。
その状況が11月から1月上旬頃まで続き、1日20件から40件、週に2日から4日というように対応をし続けた結果、現在は週に5日(金曜日のみ午前中)、1日で最大80件まで検査可能になったと仰っていました。
そんなPCR検査ですが、京都産業大学に訪れた人は誰でも受けることができるのでしょうか。
Q.PCR検査を受けられる対象・検査料金は?
対象となるのは学生や教職員といった京都産業大学の構成員のみだが、クラブ指導を学外で行っている方や食堂業者の方、寮の管理運営をしている方など広い意味での関係者は検査が可能であると語ってくれました。
また、検査料は1人1回につき900円(税込)だそうです。
ここでインタビューの前半が終了。
取材に関してパーソナリティーの伊達くんは、大学の外でゼミ活動を行う際には必ず検査を受け、陰性が証明されてから行くように言われていると話してくれました。
そこからPCR検査センターの目標でもある『学びを止めない』ということを実感したようです!
そしてインタビューの後半はこんな質問から。
Q.PCR検査センターで働いているスタッフのコロナ対策は?
施設の消毒はもちろん、検査技師は感染性が高い『バイオハザードエリア』にいるため、マスクは4層構造のものを使用したり防護服を着たり、帽子・グローブ・ゴーグルの着用、受付スタッフも簡易な防護服・白衣を着て、フェイスシールド・マスク・手袋の着用するといったように万全の対策をしているそうです。
また、受検者は基本的に自分で唾液の採取・提出をするためスタッフが直接検体に触れることがないのも対策の一つになっているのだとか。
スタッフの方は動きにくかったり蒸れたりといった環境の中で耐えながら作業にあたっていると林さんは仰っていました。
さらに今後のPCR検査センターについても伺いました。
Q.これからの課題は?
京都産業大学は約1万5千人が一堂に集まる1キャンパス大学であるため1日80件という検査数では足りないのが現状。
だからこそさらに検査数を伸ばすのが課題だと林さんは言いました。
そのためには複数の唾液を混合して、同時に検査ができる『プール検査』を導入していきたいと考えているそうです。
Q.学生からの認知はどう感じているのか?
質問に対して林さんは「認知されている部分もあるが、周知が行き渡っていないのが現状」と仰っていました。
これも今後の課題の一つになりそうです。
そして最後の質問へ。
Q.我々が気をつけるべきことは?
マスクを着用すること、手洗いを徹底する、三密を避ける、といった感染予防の基本的な行動をとって欲しいとのこと。
また、食事中は飛沫感染のリスクが高いため、食事をする際は最適な距離をとって『黙食』を心掛けてほしいと仰っていました。
インタビューが終わり、スタジオでは林さんから学生へのメッセージを紹介しました。
「感染を広げないためにも自分の行動を常日頃から意識してほしいです。大学としては学生の皆さんが安心して学ぶことができるようなキャンパスの提供を心掛けていきますので、『オール京都産業大学』として新型コロナウイルスに立ち向かっていきたいと思っています。」
今回の取材について、伊達くんは学びを支えてくれていることをひしひしと感じていた様子。
パーソナリティの安本さんは取材するにあたってPCR検査センターの内部を見てきたのだとか。
安本さんは『人を呼ばなくてもいい環境が整えられている』と語り、利用者のことを想って作られていると感じたそうです。
コーナーの最後に1曲。林さんのお子さんがハマっているという
つるの剛士『全力全開!ゼンカイジャー』
YouTube配信では京産現社カフェのダイジェストをお送りしました。
04 コーナー2「コロナ禍での映画館の現状と未来 ~出町座~」
番組の後半では「コロナ禍での映画館の現状と未来 ~出町座~」と題して、3度もの緊急事態宣言が発出されている京都で地域に根付き営業を続けているミニシアターの「出町座」の田中誠一(たなかせいいち)さんに取材をしてきました!
ちなみに今回のパーソナリティの安本さんは1度だけミニシアターに行ったことがあるとのこと!伊達くんは通っていた高校の近くにミニシアターがあったとのことで1度は行ってみたいとずっと気になっていた模様です!
出町座とは、2017年12月にオープンした京都出町柳の桝形(ますがた)商店街の中にある映画館・書店・カフェの複合施設です。
今回はそんな出町座に、前回パーソナリティを務めてくれた脇浜ゼミ4回生の津田くんが取材に行ってきてくれました!
シマフィルム株式会社に所属する「出町座」の田中誠一さんと脇浜ゼミ4回生の津田くんによるお互いの自己紹介を済ませ、まずは1つ目の質問へ…。
Q.お客さんの中の大学生の割合は?
大学生の割合は20%程度とのこと。インタビュアーである津田くんは少なく感じたみたいですが、田中さん曰くとても多いと仰っていました。というのも、日本全国で見たときに、地域の映画館に若い人は少ないらしいです。
続いて、出町座は京都出町柳の桝形商店街にあるということで、こんな疑問が。
Q.出町座は商店街にあるが、地域との関係は?
田中さんは、「特に目立ったことはやらなくても、ここ(商店街)にある時点で地域貢献はしないといけないし、商店街の理事も務めている。商店街では春夏秋冬さまざまなことを行っている中で、ただ傍観しているわけなく、理事会に入って積極的に活動をしている。」と意欲的に積極的に活動していると仰っていました。
ここで今回のラジオのテーマ「コロナと向き合い続ける」にちなんだ質問。
Q.コロナ禍における、出町座の取り組み
クラウドファンディングのプラットフォームを使用し、「未来券」というものを発行して、休業せざるを得なかったことや、出町座に行きたくても来られない人がいることを考え、「コロナが落ち着いたら出町座で会いましょう」というメッセージを込めたとのこと。
オンラインショップ「出町座の売店」で販売されている「未来券」
インターネット上での遠隔のやり取りはクラウドファンディングが双方向性にも長けており優れていて、出町座立ち上げの際にもクラウドファンディングを使用していたのですぐ行動に移すことができたのだといいます。
「未来券」を発行すると同時に、併設されているカフェや書店も遠隔でサービスするということを掲げていたので、出町座に来なくても、3ヶ月間、毎月違う種類のコーヒーのドリップを送るサービスや、「ブッククラブ」という3ヶ月や6ヶ月の間、月に1回選書した本を送るサービスを2020年にしていました。
今年に入ってからは、「STORES」というツールで出町座の売店というオンラインショップ(https://demachiza.stores.jp/)を新たに開いたという。品数はまだまだ少ないものの、スタッフがオリジナルグッズを鋭意製作中。出町座に来ても来られなくても購入可能で、先ほどの「未来券」もオンラインショップで販売している。その他、遠方の方からの要望があり、出町座の会員に入会することも今までは直接出向いてでしか受付することができなかったが、オンラインでも受付が可能になったようです。
津田くんがここで素朴な疑問をぶつけます。
Q.コロナ禍の今、映画館に行ってもいいのか?
そんな質問に田中さんから「分からないですね。大丈夫とは言えないでしょ!」とツッコミが入りました。今となっては家にいようがどこにいようが感染する可能性がある中で、「うち(出町座)は大丈夫です!」とは、はっきり言えないとのこと。できるだけ気をつけているとしか言えず、ただそれはどのお店・場所もそうであるから大きな要因にはならないと頭を悩ませていました。
ここで津田くんから「声を大にしてきてほしいとは言えないですもんね」というと、「お客さんいないんだから、そりゃ来てほしいですよ」と田中さんの本音がポロリ…。
次は大学生という視点から、津田くんはこんなことを聞いてみました。
Q.僕たち大学生に、観に行くこと以外に出来ることは?
新型コロナウイルスの影響で厳しい状況の小さな映画館。
小さな映画館に貢献するために、私たち学生にできることは「伝えること」。
多くの人に伝えることは難しいが、「どう伝えていくのか考えてほしい」と田中さんは話していました。
最後に田中さんから学生へメッセージ。
「影響を受けたものが自分の人生を決定することがある。インスピレーションや表現物の影響をダイレクトに受けるのは20歳くらいまで。そのため、若いうちに色んなものを浴び、吸収していってほしい。自分で選んで、受け止めた時に、大事だと気づくのは自分が選んだからこその価値。どの映画が自分に影響を与えるのか分からないため、選ばず、端から順番に映画を観て大きな器を作ってほしい。」と田中さんは話していました。
インタビューが終わり、スタジオでは実際に取材を担当した津田くんの感想を紹介。
「今は規模の大小問わず映画館に行ってほしいと簡単に言うことは難しい状況ではありますが、いつか個人の判断で行ってみてほしいです」と安本さんが代読しました。伊達くんは田中さんの「学生に小さな映画館を伝えてほしい」という言葉を受けて、「出町座のある枡形商店街に交流ノートが設置されているので、口コミなどを書いてそこから広めていってほしい」と話してくれました。
ミニシアターでは京都の学生は映画の大半を1000円で観ることができるとのこと。学生のうちに、さまざまな映画から影響を受けて器を大きくすると、これからの人生に役立つかもしれないですね。
05 エンディング
今回は「コロナと向き合い続ける」をテーマに約1時間お送りしてきた京産現社カフェですが、我々が通う京都産業大学に設置されている「PCR検査センター」や、コロナ禍で奮闘する町の映画館「出町座」の2つを取り上げてきました!
どちらともコロナという大きな壁に阻まれつつも、その中で出来ることを暗中模索し、今に至っているということが非常に理解していただけたのではないでしょうか。
今回初めて京産現社カフェのパーソナリティを務めた安本さんは、「民間での初めてのパーソナリティは、心臓がバクバクした。反省点もあるため、今後反省点を活かしていきたい。」とゼミ生として頼りになる一言が聴けました!
伊達君は「各地域の方に放送を聞いてもらうために、これからも頑張って制作してきたい。」と言っていました!
ここで京都産業大学からのお知らせです!
京都産業大学では今後もオープンキャンパスの開催を予定しています。次回は7月31日(土)、8月1日(日)、8月7日(土)、8月8日(日)に開催する予定ですので、興味のある方は是非ご参加ください!
また、少し先のことになりますが、我々が所属している京都産業大学現代社会学部の次世代型リーダー選抜入試の1次選考の出願期間が9月1日(水)~9月7日(火)となっております!出願を考えている方はお忘れなく!
次回の「京産現社カフェ」の放送は、7月12日(月)の19時からです!
是非次回もお楽しみください!
(著者:関山・福谷・山田・脇坂)
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