01 最初に
脇浜ゼミでは、「マルチプラットフォームストーリテリング」をテーマに日々活動しています。そんな私達が新たに挑戦するのが、今回の記事「京産現社カフェ」です!
元々は有志で集まった現代社会学部の学生が制作した番組をRADIO MIX KYOTO北大路メインスタジオよりお送りしていました。その番組制作を私達「脇浜ゼミ」が引き継ぎ担当することになりました。
今回は、我々にとってもドキドキの初放送を記事にしたものです。
感染症対策を行うとともに最小人数でのラジオ本番!制限が沢山ある中で臨んだその一部始終をどうぞご堪能あれ!
02 オープニング
今回のメインパーソナリティは現代社会学部4年次の岡祐平くんと
同じく現代社会学部4年次の津田陽祐くんの2人です。
アイロンヘッドの辻井さんに作ってもらった「京都産業大学の歌」という曲をバックに、脇浜ゼミの紹介と今回の放送テーマである「頑張るあの人」の説明をしました。
今回のテーマの紹介を終えた2人は緊急事態宣言が続く中での家での過ごし方について話し、本日1曲目の曲 赤い公園の『絶対的な関係』を流しました。
ラジオでは音楽が流れていますがYouTubeではよくあるBGMが流れる中オープニングを終えた2人がホッと一安心する姿が流れていました!
ホッとする二人
03 コーナー1 集まれ!なんかしたい人
このコーナーはなんかしたいけど動き出せない…・何をしたら良いのかわからない…
そんな人達の想いを汲み取って形にする活動をしている、「合同会社なんかしたい」の清水大樹さんの話を聞くことで、リスナーを元気付けたいというコーナーです。
清水さんは京都産業大学・経営学部の卒業生で大学在学時から教育事業の創業に携わっており、2019年の1月に独立。現在は個別指導塾や学童教室の運営、大学生のコミュニティスペース運営や企業の研修やクリエイティブ事業を行っています。
「なんかしたい」という名前も会社名でインパクトありますよね。この会社名の由来も聞くことができるのか!?
脇浜ゼミ生の古閑くんが取材してくれました。
まずは会社説明からスタート!
清水さん「「合同会社なんかしたい」という名前は聞く人たちも新鮮なようで、「ヘンテコ」と言われることもあれば「“なんとかしたい”ですか?」と間違われてしまうこともあります。だからこそ覚えてもらうことが出来る」と笑顔で話す清水さんは「あなたとセカイをチカクする」ことを目標に活動しています。
会社は京都府右京区の西院という阪急西院駅から徒歩5分ほどの場所にあります。西院はお店が多く車通りも多いです。しかし、1本入ると戦前からある京都の長屋が広がっています。9軒連なっている所の5軒を清水さん達が運営しています。2012年に1軒目、そこから少しずつ増やしていき、地域に根ざした活動を日々されています。
5軒の長屋の中は本当に色々な使い方をしており、一言で言うなら小学1年生から大学4年生までが楽しく一緒に何かに取り組みながら自分のことや社会のことをしゃべったり、学びあったりしています。
活動は大きく分けると3つのことを行っています。
1:学童保育と個別指導塾として場所を持って教育事業
2:大学生のコミュニティスペースとしての運営
・コミュニティスペースはコロナウイルス前はオフラインで行っていましたが、コロナウイルス後はオンラインで行っています。
・保育・塾とコミュニティスペースは長屋を利用しており、清水さんはその長屋から取材を受けてくださいました。
3:企業の研修や教育プログラムを提供すること・クリエイティブ(HP・チラシ・動画制作など)
清水さん「コロナウイルスの影響でオンラインになった時の企画(ディスカッションの場)を去年はオンラインでも開催しました。去年一年で160回開催して約1700人もの人が参加してくださいました。小・中・高・大学生だけではなく社会人の方々も参加してくれて世代を超えて自分のことや社会のことを話すみたいなことを大事にしている」
たくさんの事業を行っている「合同会社なんかしたい」。ここからは古閑くんが清水さんにドンドン質問していきます。
Q:「昔と今で変わったと思うことはなんですか?」
清水さん「昔は人に好かれるためや人からすごいと言われるかなど、人の目を気にして『人のために』という考え方から、完全にかけ離れていて、地に足ついてない思考でした。今は、自分は自分というかあまり周りと比較しないようになりました」
Q:「会社設立にはどのような経緯があったのでしょう」
清水さん「就職活動が始まったタイミングで自分の視野を広げたいと思い、思いつきでヒッチハイクで日本一周をしたんです。この経験を通して、「みんな楽しく幸せに生きて行けたら」思った時に僕は人間関係が大切だと思いました。自分が何かしたい時に出来る力やきっかけが大事だと思ったからこそ、そんな場作りをしようと思いました。大学4年生の頃に出会った社会人と一緒に会社の創業をしました。8年間、出会った人たちと会社の立ち上げを行いそこから新しい形で独立させてもらったのが、今から2年半前です。2019年に「合同会社なんかしたい」を新しいコンセプトで作りました」
ここでパーソナリティーの2人も気になっていた「なんかしたい」の由来を教えてくださいました!
清水さん「「なんかしたい」の由来は教育事業をやって行くなかで、中・高・大学生の相談NO.1が「『やりたいことが無い、夢がない』けど、なんかしなきゃ」というもの。なんかしたいと思う気持ちは超ポジティブでエネルギーの源泉だと思ったので、なんかしたいと思ったら、なんか一緒にやろうという気持ちを込めて「なんかしたい」という会社名にしました」
ここで「合同会社なんかしたい」が行っている事業について詳しい内容を聞くことが出来ました。
1:まなびのば・あそびのば
塾に通っている子供達の親御さんや兄弟の相談から小さい子達が通うことができる補助金なしの民間児童保育を設立しました。預かるだけではなく宿題をしっかり見たり、お互いの思っていることを話し合うワークショップを行ったり小学1年生から小学4年生までが勉強だけでなくワークショップなど様々なことが行える場所を提供しています。
塾は子供達から「秘密基地みたい」など色々表現してもらって愛されて運営しています。一言で言うなら賑やか。この塾の先生には2つの役割があります。
1つ目は勉強が出来ない理由を紐解くこと
大手の塾では合わなかったり、勉強するのが嫌って人も通える塾かつ成績を上げられる塾にしたい。心の多感な彼らが何故勉強できないのかその理由を紐解くことを大切にしています。
2つ目はあなたが語ること
「あなたのやりたいことは何?」って大人が子供に聞きがちだと感じるからこそ大人が自分から「自分こうでさー」と大人も人によって言っていることが違うことが自然。だからこそ大人が自分自身を語ることを大切にしています。
2:agora(大学生のコミュニティスペース)
基本的に大学生がここでオンライン授業を受けていたり、少し本を読んだり、ゼミのミーティングをしに来たりという場所として解放しています。この場所に小・中・高校生が寛ぎに来ます。親に自習しに行くって言ってここでゲームをしたり漫画を読んだりしています。子供達に大学生の会話を聞いて「大人ってこんなこと思ってるんだ」と肌で感じてもらう、たまたま居合わせることを大切にしており、小・中学生にとっての日常の中である塾という環境で大学生に触れる機会を作っています。
上の写真はくつろぎに来ていた中学生が作業をしている大学生に「何してんの?」と聞いている様子
3:企業の研修や教育プログラムを提供すること・クリエイティブ(HP・チラシ・動画制作など)
小学生から大学生まで関係性近く関わっているからこそ企業の研修に小・中・高学生や大学生を連れて行っています。企業が自分達の経営理念やビジョン・経営会議をする中に子供達(希望者のみ)を連れて行って大人の本気で自分達の会社未来や会社を語っている姿に触れてもらう機会を作ってもらっています。
京都産業大学 現代社会学部の『リーダーシップ論』という授業に毎年ゲストとして講義をしています。数日前にも講義をしました。その時に小・中・高校生だけではなく親御さんも一緒に授業に同行しました。どんどん大人の場所に子供達を連れて行って「あなたとセカイをチカクする」という理想に近づけています。
ここで古閑くんが私も気になっていた質問である
「agoraに始めての人でもいきなり訪問することは可能ですか」という質問をしてくれました。とても自由度の高い「合同会社なんかしたい」一度は訪れてみたいと思った人もいるでしょう。
結果は大丈夫とのこと。
しかし!
清水さん「いきなり来るとびっくりしちゃうので、HP・Twitter・Facebook・Instagramからお問い合わせをもらって連絡のやり取りの後で、初めて訪問する人には説明があります。問い合わせをいただいて説明をしてから、来れるようになっています」とのこと。
確かに私でも「ラジオ聞いて来ましたー」と急に来られても対応に困ってしまいますね。
皆さんも問い合わせをして説明を聞いてから訪問するようにしてくださいね!
大学生のコミュニティスペース「agora」は1回目の訪問は無料で2回目からは月123円でこの場所を使い放題、イベントに参加し放題!この値段で使い放題・参加し放題は学生にとっても嬉しいですね。
取材も大詰め最後に清水さんからラジオを聞いている皆さんにメッセージです!
清水さん「コロナ禍で我慢することやできないことがたくさんあると思うんですけど、生きている時間が楽しかったらいいのが僕の考えで、その中でできることも何かあるのではないかと思って、僕も生きています。基本的に僕は、人の真似をする・パクる・頼る・お願いすることで生きていて、基本的にごめんなさい・ありがとうございます・よろしくお願いしますを毎回200回くらい言っているからそこできることがあったら出来る範囲でしたいと思っています。皆さんも身近な人に頼り・頼られながら一緒に楽しく日常が続いていけばいいと思います。もし、誰にも相談する人がいないと思ったり身近な人に相談するのが恥ずかしかったら「合同会社なんかしたい」のHPを見てもらって問い合わせ連絡いただけたら、僕でよければお話ししましょう」
これで取材は終了。これを聞いたメインパーソナリティーの岡くんは
岡「普段交わらない小・中・高・大の幅広い世代の交流はなかなかない。自分の視野が広がる何かしたい人も何もしたく無い人も集まれるコニュニティーが魅力的だと思った。皆さんも是非連絡してみてはいかがでしょうか」
とコメントしコーナーを締め括りました。
04 コーナー2 京都を応援!京産大鈴木ゼミ
番組の後半では「京都を応援!京産大鈴木ゼミ」と題して京都産業大学現代社会学部の鈴木ゼミが取り組んでいる
三条大橋についての活動と京都府久御山町についての活動を紹介しました!
三条大橋は室町時代に今の京都市三条通にあたる場所に架けられた橋で江戸時代には東海道五十三次の西の起点となったり、日本初の駅伝のスタート地点に選ばれたりしました。
久御山町は京都市、宇治市、城陽市と隣接している京都府南部に位置する地域です。
今回はパーソナリティーも務めている岡くんが鈴木ゼミの飯塚さん、山根さん、加藤さんにインタビューをしてきてくれました。
鈴木ゼミは自治体などと協力して地域の問題解決に取り組む地域密着型、フィールドワーク型のゼミで三条大橋や久御山町など京都の様々な場所で活動に取り組んでいます。
まず三条大橋チームのリーダーの山根さんが話をしてくれました。
山根さん「三条大橋の取り組みでは昨年1期生の先輩方が京都市の橋梁健全推進課の方と協力して、京都のより多くの人に三条大橋の魅力を知ってもらう為、三条大橋の補修・修景を援助する寄付金の増加に繋がる活動をしていました。
私達2期生は先輩方から引き継いで『京都の橋と言えば三条大橋』をスローガンに掲げて、寄付金を募るポスターを作成し、そのデザインを元に商品開発並びにふるさと納税の返礼品となる限定ラベルのお酒を作るという活動をしています。また、SNSの運用もしています。」
次に久御山チームのリーダーである飯塚さんから久御山町の取り組みについて聞きました。
飯塚さん「久御山町はあまり観光資源に恵まれない地域で飲食店などがあまり盛り上がっていないように感じました。そんな中で久御山町の事業建設部からグルメマップを作ってほしいとの依頼を受け、店舗へのインタビューなどを重ね『肉と麺』という冊子を作製しました!『肉と麺』を作るに当たって店舗へのアポ取りやどのような冊子であればターゲットの『働いている人』に届くのか、手元に置いてもらえるのかなどの工夫をチーム一丸となって取り組みました。」
鈴木ゼミでは三条大橋や久御山町の取り組みに加えて「鴨川企画」という活動もしています。
こちらについては加藤さんから説明がありました。
加藤さん「鴨川企画では鴨川についてのパンフレットを作成することを主な活動としています。昨年(2020年)は鴨川の大水害から85年の節目であることや、江戸時代の古地図が発見されたことからそれらをパンフレットの形に纏め鴨川の過去の姿を知り、未来に繋げてもらうことを目的としています。こういった鴨川の過去の姿を知ることができる資料はこれが初めてだったらしく、たくさんの方に手に取っていただき、喜んで頂けました。」
一通りお話を聞けた後、岡くんから「それぞれのチームで特に大変だったことは何ですか?」という質問が
山根さんからは「大変だったのはやはりふるさと納税の返礼品の商品開発だったかなと思います。私たちが作ったポスターは社会的に意味が有るだけで無く『こういったところが他のお酒と違うからお客様に手に取っていただける』というところまで深く考えてふるさと納税の返礼品にするという点が学生では見えない視点だったので勉強になったと同時に難しい部分でもありました。」とのことでした。
飯塚さんは「店舗の人と地域の人で考えていることにギャップがあったこと」を挙げていました。
飯塚さん「地域の人は久御山町に観光客などの外からのお客さんに来てほしいと考えていて、私たち(久御山町チーム)も地域外のお客さんをターゲットにしようと考えていたのですが、店舗の方のお話を聞くと今の常連のお客さんを大切にしたいと考えている人が多かったため、私たちもターゲットについて考え直すことになりました。ですがそれを経て、久御山町に住んでいる人や働いてる人をターゲットにして新しい常連さんになってもらえたらいいなと考えました。」
というエピソードを聞くことができました。
最後にお三方にメッセージをいただきました。
加藤さん「三条大橋は凄く歴史のある橋で刀傷がついていたり外観も凄くいいのですが、三条大橋は昔から有って駅伝が始まった場所であるなどの様々な歴史的な要素もあるので、是非一度三条大橋に行って歴史の奥深さを感じてもらいたいと思います。」
山根さん「三条大橋自体にも魅力はたくさん有って、僕としては日常に溶け込んでいる歴史遺産って中々無いと思うんです。昔からずっとそこに在って町の人達とずっと一緒に歴史を刻んできているというところが三条大橋の凄く魅力的なところかなと思うので、是非来ていただきたいです。
それともう一つ、今回この活動をゼミでしていく中で学生の力って微力ではあるけれど無力ではないと感じました。(活動の中で関わった)市の方々や酒造さん、デザイナーさんは学生の僕たちを同じ目線で扱ってくださりどんどん意見を言ってほしいと言って取り入れてくれたりと様々なサポートをいただいたところからやっぱり学生たちの視点は社会を動かす上で凄く大事なもの、価値があるものなんだなと感じました。もしこのラジオを視聴している方々の中に何かやってみたいなと思っている人がいたら是非やってみてほしいなと思います。」
飯塚さん「久御山で活動させてもらって、やっぱり久御山という場所自体が温かい人が多いなと感じたことと、久御山ではお店の人同士が仲が良く助け合ってそれぞれの個性を大切にしながら自分たちのお店をやっているというところが凄く多いので、やはりお肉もラーメンもこだわりが有って作ってらっしゃっていて凄くおいしかったのでみんなにも行ってほしいなというのと、このマップを通じて久御山町に関わっている人たちが久御山にいいところがあるんだと気付いてくれたら一番うれしいなと思います。」
京都産業大学現代社会学部鈴木ゼミの飯塚さん、山根さん、加藤さんありがとうございました!
鈴木ゼミの皆さんのお話の後、スタジオでは津田くんが山根さんが言っていた「学生の力は微力ではあるけれど無力じゃない」という言葉を受けて
津田「確かに、大学生の力には限界があるのかもしれないけれど、それでも何かやるって思いは私たちも見習っていくべきだし、同じ京都産業大学の学生として一緒に頑張っていきたいな。」と一言。
岡くんからはインタビューの中で紹介されていた久御山町のグルメマップについて補足が。
このグルメマップは「見るグルメマップから使うグルメマップへ」というコンセプトで作られており各店舗の欄に色が塗られていない3つの星が描かれていて自分でそのお店に行ったときに自分で塗りつぶすことができるようになっています。そうして自分なりのグルメマップを作ることでもう一度そのお店に行くときや他の人に紹介するときに活用してほしいとのことでした。
このグルメマップは京都産業大学や久御山町の役場、各店舗などに置かれています。
また、三条大橋のポスターは京都市地下鉄で5月9日まで掲示されており、京阪バス・京都京阪バス・京都バス・京阪京都交通では4月下旬から5月の下旬まで掲示されているそうですので公共交通機関を利用される方は是非探してみてください!
鈴木ゼミのホームページ(http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~ksuzuki/index.html)、Twitter(https://twitter.com/Sanjo_Ohashi?s=20)も
是非チェックしてみてください!
ここでもう一曲、乃木坂46の『I see…』をお送りしました。
05 エンディング
オープニングでも流した辻井さんの「京都産業大学の歌」と共にエンディングです!
今回は脇浜ゼミがお送りする初めての京産現社カフェでした。
今回パーソナリティーを務めてくれた岡くんと津田くんは本人曰くゼミの中でもトーク力抜群の2人
…ですが今回はやはり初めての舞台で緊張していたようですね。
「緊張して全然話せなかったー」と二人は言っていましたがとても楽しい一時間でした。タイムキープも完璧!
最後は岡くんが「この番組を聴いて元気になってくれたら嬉しいなと思います。」と締めくくりました。
次回の京産現社カフェの放送日は6/14です!
是非次回もご視聴ください!
(著者 ヤス、市川)
Comments